銀河のタイプ: M82は不規則銀河に分類されますが、一部では変形した渦巻銀河とも考えられています。その形態は乱れており、これはおそらくM81との重力相互作用によるものです。
形状と大きさ: 非常に細長い形をしており、「葉巻銀河」というニックネームが付いています。見かけの角度サイズは約11.2×4.3分角で、物理的な大きさは約37,000光年になります。
活動的な核: M82の核は特に活発で、ガスや塵が豊富に存在します。多くの星形成領域や最近の超新星が含まれています。
星形成: M82はスターバースト銀河であり、通常の銀河よりもはるかに高い星形成率を持っています。この率は天の川銀河の約10倍と推定されています。銀河の中心領域では、M81との重力相互作用によって引き起こされた星間ガスの圧縮波により、激しい星形成活動が行われています。
銀河スーパーウィンド: M82の中心領域では、強力な銀河スーパーウィンドが観測されています。これは、高速(最大1000 km/s)で銀河円盤に垂直に噴出される高温のイオン化ガスの流れです。この風は、超新星爆発や大質量星からの恒星風によって駆動されています。この現象は、数千光年にわたって広がるHアルファ放出ガスの輝くフィラメントとして見ることができます。
輝度: M82は、赤外線で最も明るい銀河の一つであり、大質量星の形成によって加熱された塵の豊富さを示しています。天の川銀河の約5倍の赤外線エネルギーを放出しています。
重力効果: M82とM81の近接は、重力的に大きな影響を与えています。これらの銀河間の潮汐力は、おそらくM82を乱し、現在観測されているスターバースト活動を引き起こしたと考えられています。これらの銀河は複数回接近した可能性があり、それぞれの接近がM82での星形成を強化したと考えられています。
物質の流れ: M81とM82の間で物質の交換が行われている証拠があり、特にガスの流れが両銀河間に広がっている可能性があります。
赤外線とサブミリ波: 葉巻銀河は、赤外線やサブミリ波の波長で広く研究されており、塵に隠された星形成領域の詳細が明らかになっています。
X線: X線観測では、内部領域からの放出が観測されており、超新星爆発や中間質量ブラックホールなどの現象に関連しています。
電波天文学: M82からの電波放出は、銀河内の多くの超新星残骸や高密度ガス核の存在を明らかにしています。
M82は、極限環境下での星形成過程を研究するための実験室としてよく利用されます。スターバースト銀河としての地位は、銀河相互作用が銀河進化にどのように影響を与えるかを理解するための重要な対象です。
超新星SN 2014J: 2014年1月にM82で発見されたIa型超新星SN 2014Jは、スターバースト銀河でのこの種のイベントを研究するユニークな機会を提供しました。
要約すると、葉巻銀河は、近隣銀河との重力相互作用によって激しい星形成活動が引き起こされたスターバースト銀河の魅力的な例です。そのダイナミックな活動、銀河スーパーウィンド、強烈な放射は、銀河外天文学における主要な研究対象となっています。